「遠い故郷」「愛の歓び」といったクラシック音楽を原曲とするものを聴けばだれでも気がつくことだが、オペラのアリアをポップス風に歌ったのはフィリッパ・ジョルダーノが最初ではなかった。ムスクーリはそれをずっと前にやっていた。情緒纏綿とした「アマポーラ」、抑揚の大きな「イエスタデイ」、静かに心を打つ「アメイジング・グレース」など、聴きごたえのある曲がそろっている。(松本泰樹)