岸辺のふたり―Father and Daughter 4774306533 くもん出版
■Amazonエディターレビュー 自転車に乗って、干潟へやって来た父と娘。「それじゃな」「……うん」。たったそれだけの短いやりとりの後、父は水平線にむかってボートを漕ぎ出し、去ってゆく。「父は/帰ってこなかった」。時は過ぎ、少女は恋をして、母になり、「あらゆる歓び」を得て、やがて老いを迎える。だが、いくつ年を重ねても父への想いは消えなかった…。 父をいつまでも想い続ける娘のひたむきな姿が、美しい。そして、想いを抱えながら「かけがえのない人」に出会い、自分の人生をしっかりと歩いていくその姿もまた、生きる力にあふれていて、美しい。 本書は、2001年アメリカアカデミー賞短編アニメーション賞を受賞したオランダの作品を、監督自身の手によって絵本化したもの。さまざまな濃淡の茶色をつかって、岸辺の風景が描かれていく。人や木、自転車から長く伸びる影と、白っぽい光のコントラストが鮮やかだ。訳者は、???????????????????????¨???のうちだややこ。静かで、過不足のない日本語が作品世界と見事に溶け合っている。(門倉紫麻) |