■Amazonエディターレビュー タイトルがすべてを物語っている。エルヴィス・プレスリーのDVDのタイトルでもある「Echo will never die」(歌声は永遠に、の意)が示すとおり、プレスリー伝説が幾度語りなおされようとも、プレスリーがロックンロール史上もっとも影響力のある人物であった事実は変わらない。ケーシー・ケーサムが司会をつとめる48分のドキュメンタリー(本作品を含む「Rock'N'Roll Goldmine」シリーズ全5作は、1作ずつでも、5作そろったBOXセットでも購入可能)には、それなりに見せ場もあるが、プレスリーの名高い歌声はあまり高らかに響いてこない。ほとんどは、おなじみのプレスリー伝説を形式的に繰り返しているにすぎないからだ。彼の音楽のルーツがゴスペルとブルースにあること、サンレコードからデビューした頃のエピソード、軍隊時代の任務、プリシラとの結婚、1960年代に主演した数多くの映画(あまりにも短いビデオクリップで紹介される)から60年代後半のライヴの様子に移り、70年代に失速する様子などがつづられている。プレスリー本人におこなったインタビューの抜粋はおもしろいし、B.B.キング、友人たちや「メンフィス・マフィア」と呼ばれた側近たち、サミー・デイヴィス・Jrなど、語り手も多数登場する。だが彼らの話も特筆すべきものはほとんどない(映画『アカプルコの海』で共演した女優、ウルスラ・アンドレスが「とてもハンサムなひとだったわ」と語っている)。最低の作品だとは言いきれないが、まあそんなようなものかもしれないという察しはつくだろう。(Sam Graham, Amazon.com)